ドイツでは、毎年11月末から2週間ほど、あちこちでクリスマスマーケットが開かれます。木のおもちゃ屋を始めてから、ドイツのクリスマス市にいつか行ってみたいと思っていました。2006年の今年とうとう夢が実現しました。
6日間(4泊6日)の旅、ドイツのクリスマス市をレポートします!
1日目
『ドイツへゴー!』

成田から約12時間の飛行機の旅。お昼の12時ごろ成田を飛び立ってドイツ・フランクフルトに着いたのは、ドイツ時間で夕方の4時頃。日本とは、−8時間の時差なので少し逆戻り。

ドイツはものすご〜く寒いと覚悟してもこもこに着込んで行ったのに、一日目はこうしてほとんが移動だったため、もこもこの防寒策は暑くてたまらず、飛行機の中では汗がじわり・・・。いや、でも着いたらきっと雪が降っているかも!と思いきや飛行機を降りたら、気温は6度。あれっ?雪も積もってなければ、半そでのお兄さんもいる!
さすがに半そでのお兄さんはその人だけだったけれど、多治見より少し寒いくらいでした。

今はテロ対策で手荷物の検査が厳しいため、100ml以上の液体は機内に持ち込めず、歯磨き粉やジェル状のものまでアウト。液体は透明な袋にまとめて検査を受けなければなりません。とにかく、無事にドイツについてホッ〜。

           

『フランクフルトのクリスマス市』

ライン川につながるマイン川の近くのホテルに到着。設備も整っていてきれい。

荷物を置いたら歩いてフランクフルトのクリスマス市へ。
街全体がクリスマスムードであちこちのショウウィンドウにはクリスマス飾りが美しく施されています。お店づくりのヒントにするためにをあちこちで写真をとりながら歩いていくと急に賑やかな場所に出ました。

レーマー(旧市庁舎)、パウルス教会、大聖堂あたりにずらーっと屋台が並びクリスマス市がひらかれています。ここはそんなに大きな市ではないそうだけどいやいや立派!電飾で飾られた屋台は、ソーセージやパン、甘そうなお菓子、お酒、そして何といっても木のおもちゃ。

グリューワインという赤ワインをホットにしたものに、レモンやオレンジなどの柑橘類やシナモンなどの香辛料を入れたものが名物で、私もぜひと思ったけど、機内食ですでにお腹いっぱいになっているので、もう飲めない。

ドイツの人はおいしそうにマグカップでゴクゴク!大きなソーセージやバーガーや、大きなクッキーを食べています。屋台を一つひとつじっくり見たかったけど、人の多いところは日本のラッシュ時の電車の中を思わせるほどの混雑ぶりで歩くので精一杯。しかもドイツの人は大きいので前が見えず、どこに向かっているかわからなくなってしまう。時おり、「ニーハオ」と挨拶されたので「ニーハオ」と挨拶。

2、3時間ほどぶらぶら歩き、ホテルへ戻り、もうくたくたになって就寝。
いよいよ明日はドイツで最大のシュトゥットガルトのクリスマス市。楽しみ〜。

          

2日目
『ドイツの朝』

ホテルで朝食。
いろんな種類のパン、ソーセージ、ハム、チーズ、ジャム・・・。新鮮な野菜や果物は少ないようです。こうしてみると、カルトンで売っている木の食材はこれにそっくり!

ドイツの子どもたちのおままごとにこうした食材が欠かせないことがよくわかります。
ということは、日本の子どもたちのおままごとには、木の食材でも納豆や、お豆腐、玉子焼き、おにぎりなどの和食シリーズがあるべきではないかと思います。

お腹がすいたなあ〜と思ってよく考えたら飛行機を降りて12時間以上何も口にしていなかったことに気づき、たくさんおいしく残さずいただきました。

『ハイデルベルクのクリスマス市』

フランクフルトを出てハイデルベルクへ。
ハイデルベルクといえば、ドイツで一番古い大学があり人口14万人中3万人は学生というほどの若者の街。

この大学の敷地内で今はクリスマス市がひらかれています。
街を見下ろすように山にはハイデルベルク城があり、戦争の痛手で破壊されたままのところが多いけれど、14世紀頃から作り始められたというこのような古いお城がこうして今もあるということは感動です。

ここにもネッカー川という豊かな川が流れ、古いかわいらしい家とごつごつした石畳の道と、街を見下ろすお城。どこをとっても絵になる風景にただただ感動!
ハイデルベルクのクリスマス市も、フランクフルトのようにお菓子、ワイン、ビール、ソーセージ、おもちゃなどの店が立ち並びます。昼間から皆おいしそうにグリューワインを飲んで、ソーセージを食べて上機嫌。

昨日飲めなかったグリューワインですが、さすがに昼間からは・・・と思い、また断念。
ドイツの人って、本当に体に比例してよく食べ、よく飲むんだなあ。

            
『シュトゥットガルトのクリスマス市』

遅い昼食をとり、シュトゥットガルトに到着。
ここは本当に楽しみにしていたところ。ホテルから歩いて30分のところにあります。

ケーニッヒ通りという1km以上もある歩行者天国があり、その隣に市庁舎やマルクト広場というところがあります。マルクトとはマーケットのような意味で、街の中心にはどこにもこうした「マルクト広場」ということろがあるそうです。ここは、街一番の繁華街。

この時期、ドイツ最大規模のクリスマス市がひらかれています。

ずらーっと並んだ屋台がどこまでも続き、道に迷わないよう、高い市庁舎を目印に歩きました。私はもっぱら、木のおもちゃや、木のオーナメント、蜜蝋キャンドルのお店ばかりが目に入ります。一つひとつの店が見ごたえ十分で時間を忘れてしまいます。

木の手ざわりのいいものや、繊細なつくりのものはやっぱり高値。
でも気に入ったものは購入。もう嬉しくてたまらない!

そこでビールと長〜いソーセージをはさんだパンを食べ、よし!とまた見物開始!

本当は、キャンドルの熱で風車がくるくるとまわるウィンドミルを買いたかったのだけれど、スーツケースで持ち帰るのに壊れそうなのであきらめました。とても繊細でかわいいものばかり!

ドイツの人たちは、屋台を見ては歩くものの、そんなに買物をしていないようです。おいしいお酒とソーセージやパンを食べ、立ち話をし、ワイワイ盛り上がっています。それを楽しみにそこに来ているような気がしました。

一日じゅう見ていたい気分だけどだいぶ時間もたったのでホテルまで歩いて帰りました。
部屋についたら何とそのまま8時間も眠り続けてしまいました。明日こそは、あたたかいグリューワインを飲むぞーと思いながら…。

            
3日目
『おいしいパン』

ホテルで朝食。コーヒーを三杯もおかわりしました。

「コーヒー」とお願いしてもウェイターさんは首をかしげるので「カフィー」と言ったら、わかったというような素振りでニッコリしてコーヒーを持ってきてくれました。「コーヒー」でもピンとこないのかと実感。

パンやソーセージ、チーズの種類が豊富で迷ってしまいます。
せっかくドイツに来たのだからまずは、「プレッツェル」というパンを食べました。8の字みたいなパンです。塩がきいてて、かたいけど中はもちもちしてくせになりそうな味。これは、アルカリ溶液をつけて焼くそうです。固いパンが多いけど、歯が丈夫じゃないと厳しいなと思いながらおいしくいただきました。

シュトゥットガルトを出発し移動。昼食を済ませ、ノイシュバンシュタイン城を見学。
ディズニーがシンデレラ城のモデルにしたというだけあって白い壁のいかにも物語に出てきそうなお城。らせん階段で目がまわりそうにながらも中を見学。

1869年に作られ始め、ルートヴィヒ2世の死によって工事が途中で終わっているというものの、出来上がっている部分は豪華で美しい。

帰りはかなり急な坂道を30分ほど歩きました。スニーカーで良かったと改めて思いました。

『ミュンヘンのクリスマス市』

ミュンヘンへ移動。バイエルン州の州都でドイツ第3の都市です。

ビアホールのようなところで夕食を済ませ、クリスマス市のあるマリエン広場へ向かいました。周りはデパートや新市庁舎、教会などが立ち並び、明るくそんなにクリスマス市らしくありません。

小雨が降っていたこともあり足早に屋台を見て歩きました。
ここでもやっぱり木のおもちゃ、オーナメントを購入。

ワイン、ビール、ソーセージ、甘いお菓子、木やガラスのオーナメント、キャンドル、毛糸のマフラーなどのお店が必ずあります。

どこのクリスマス市も同じようなものが売っていますが、それぞれに雰囲気があり、天気や曜日で混雑ぶりも違います。

夕飯のビールがおいしかったことと、傘をもっていたことで両手がふさがり、また今夜もホッとなグリューワインを飲めずに終わりました。

明日は、世界的にも有名なニュルンベルクのクリスマス市。
ぜったいグリューワインを飲むぞーと思いながらくたくたに疲れきって就寝。

            
4日目
『ロマンチック街道』

ホテルで朝食。今日もドイツならではの、けしの実のついたパンや、甘いパンをたくさん食べて出発。美しい景色を見ながらローテンブルクへ。

「ロマンチック街道」なんてだれが名づけたのだろうと思っていたら、「ロマンチック街道」とは「中世の街並み」という意味らしい。それで納得。一面緑のじゅうたんのような景色に時々赤い屋根の集落が出てきます。皆統一感があってとても美しい。

フランクフルトやミュンヘンとは全く違う景色・・・。そう思いながらローテンブルクへ到着。

一年中クリスマスグッズが売られているお店があるというのでここは楽しみにしていたところの一つ。本当は、ローテンブルクの街並みをぐるりと歩いて楽しむのがおすすめなのかも。でも、私はいくつかのショウウィンドウのクリスマス飾りを写真に撮り、あとは、ケーテ・ウォルファルトというお店にずっといました。

ここは、一日いても見尽くせないほどすごい!

今までクリスマス市で見てきたオーナメントや、煙だし人形などのほとんどがあり、本当にものすごい数でした。店内にはクリスマスツリーがあちこちに美しく飾られ、天井もキラキラ。

迷路のように楽しみながら奥へ奥へ。

ここでもまた一目惚れした煙だし人形を買い、オーナメントをいくつか購入。

マーケットでもお店でもよく見かけますが、とても精巧なつくりで塗装も薄く、接着も美しい高価なものと、つくりが少々雑で塗装もてかてか、接着面が美しいとは言えず、人形などの顔がよくないもの(これらは安価)があります。

安価なほうの商品は、日本でもとても安く見かけることがあり、お金をだして買うならきちんと見極めねばなりません。


そんなことを思いながら「ここに住みたい!」と思うくらい本当に楽しい時間をすごしました。

『ミュンヘンのクリスマス市』

それからニュルンベルクへ移動。ニュルンベルクのクリスマス市は世界的に有名と言われています。1639年にはすでに市がひらかれていたという記録もあります。

世界的に有名というので、人が多いのかと思ったらそれほどでもなく、人通りはなめらかで、お店もそれほど多くありません。ただ、生花、ブーケ、果物、生のソーセージなど、地元の人が買うものがそろっています。

ここで、念願のグリューワインを購入。パンにソーセージをはさんだものも買って一緒に食べました。

グリューワインのコップはお店ごとにデザインや形もちがい、コップ代込みの値段で買います。飲み終わってコップを返すとコップのお金がもどってくるし、記念にコップを持ち帰ってもいい。私はもちろん記念にもちかえることにしました。

気に入ったコップのお店を探し、長靴の形のマグカップのお店でグリューワインを購入(5ユーロ)。

そういえば昔、こういうガラスのビールグラスがはやったような・・・。そんなことを思いながら一口。
おいしーい!こんなにおいしいなんて!

普通に赤ワインを飲むよりも少し甘くて体があたたまる。これなら一日目から昼夜関係なく毎日飲むべきだった!コップを手にいろんなお店をのぞいて歩きました。明日は、このケーニヒ通りの職人広場や教会を歩こう。

            

5日目
『バンベルクのクリスマス市』

ホテルで朝食。いろんなパンを少しずつとハムやソーセージを食べました。
今日もコーヒーを3杯おかわり。

今日でいよいよ旅も終わり。昨日歩いたケーニヒ通りへ行き、職人広場や教会を見学。

明るい時間だけあって子どもが多い。「こんにちは、ありがとう」と小さな男の子に声をかけられて、「ありがとう、ダンケ!」と返事したら、ニッコリ。日本語で挨拶してくれるなんてえらいなあと思いながら歩き、またもや木のおもちゃや、ドアにかけるベルを購入。

クリスマス市の野菜売り場をのぞくと、三角の形をしたキャベツ?や黒いかぶなど、初めて見る野菜がいくつかありました。

それからバンベルクへ移動。

世界遺産の街だけあって絵のように古く美しい建物ばかり。
バンベルクのクリスマス市はそんなに大きくないけれどにぎわっています。

あちこちで見かけて気になっていた大きなクッキーを買い、グリューワインを飲み、ポテトと大きなお菓子をいただきました。

ここでまた一目惚れした木のおもちゃを購入。

木のおもちゃは触ってしまうともう買わずにはいられない・・・。
「気に入ったら買って帰る!」そう決めてドイツにきたので、帰りのトランクの中は宝物だらけに。

いよいよ帰国。

フランクフルトの空港に着き、荷物をあずけました。
小雨は降ったものの、思っていたよりあたたかい日ばかりでした。

どこに行ってもそれぞれの家やお店にクリスマスの飾りがとても美しく施されていました。

ドイツは初めてだったけれど治安もよく、食べ物もおいしく、街全体が美しく、何より木のおもちゃやクリスマスの飾りが素敵でした。また絶対いつか行きたい大満足の旅でした。

来年はカルトンのクリスマス飾りを「もう少しだけ」気合入れてみようかな!